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インド人みっくすビルマ人は顔形だけでなく性格も混ざる。

バガンの寺院巡り(ハイライト)を終え、午後2時過ぎにホテルに戻った。
これから夕方発の夜行バスに乗り、ヤンゴンに向かうことになっている。
フロントで預けていた荷物を受け取ると、バスが来るのをひたすら待っていた。
バガンの長距離バスは、ホテルへの送迎付きなんだな、これがまた。

ところで、この夜行バスのチケットを巡って、すったもんだがあった。

バガンに到着した12/30。
私は数日後に出発する(つまりこの日)のヤンゴン行きのバスチケットをホテルのボーイに頼んだ。
彼は「まかせといて!」と調子よく引き受けた割に、あっさりと手配を忘れてしまった。
「ごめんなさい。今すぐ。今すぐやるから」と一言いうと、 奥に入り口ひげを蓄えたインド人顔の偉そうなおっさんを呼んで来た。
バス会社への口利きをできるのはボーイではなくもっと偉い人のようである。

そのヒゲは、すぐにバス会社に電話をしたが、時既に遅し。満席・・・。
だったら自分で買いに行ったのに~!

と、ここまでは旅につきもののよくある話。

ミスするのは誰にでもある。
そして、ミャンマーの様な現金が全ての社会では、お金を持って先に買いに来た人から順番に席を売るのが当たり前だし、 裏から手を回すとか、外国人用に特別席が準備されているとか、観光シーズンだからバスが増えているとか、そういうことはあんまし望めないと思うんですね。 そもそも現地の人の交通手段な訳ですから。人に頼んだ私がうかつだっただけのこと。

どうにかしなきゃなぁと考えこんでいると、ヒゲはいとも簡単そうにこう言った。

「大丈夫。明日朝一番に他の会社に電話する。それでもだめだったら、一番でバスターミナルまで走っていって4件のバス会社全てに掛け合って席を取ってくる。絶対に大丈夫だ。ノープロブレム」

ご承知の様に、こういう場合のインド人のノープロブレムが、言葉通りになることはまれである。


問題のバスターミナル
【問題のバスターミナル】
「絶対大丈夫。君が明日、朝食を食べているときにチケットをお届けするよ」

ミャンマー人のボーイは、「ごめんなさい!」と真っ先に誤ったのに対し、 インド人顔のおっさんは、根拠もなく「大丈夫」と言い張った。
そして、「ハイシーズンだからバスも列車も飛行機も一杯なんだ」とか、屁理屈を捲したてる。
こっちはハイシーズンにミャンマーを訪れていることは百も承知で、だから私は到着直後にチケット手配をしたんですが・・・。
私はバスターミナルの場所を聞いただけなのに「オレが席を取ってやる」って言いきったのはだれだっけ?

そして、翌日。私の顔を見るなり、彼が言い放ったのはこの台詞。

「エアコンバスのエクストラシートだったら取れた。」

って、ふざけんな!!夜行で補助席なんて座ってられるか!

ターミナル前の道
【遺跡に続いていく道】
さすがに私もこれには頭に来て、延々と口論がつづいた。 思いつく限りの適当ないいわけを繰り返すおっさん。
一緒に手配した別の人だって、二日後の席がようやく出てきただの、日にちをずらす気はないのかだの、 今はトップシーズンだからだの、それはどうでもいいことなんですよ。
あなたが嘘をついたり、言い逃れをすることに頭に来ているんだから。
言い訳がましく、絶対に自分の否を認めないところがインド人そっくりである。素直に謝れ~!!!

ラチが開かないので、折れたふりして補助席を押さえ、自らバス会社を回ったところ、 ノンエアコン車に空席が2席もあった。
・・・嘘発覚。ヤツは恐らく最初のバス会社に「補助席ならOK!」と言われた時点で自分の仕事を終わりにしちゃったんです。
一応座れるんだし、後は言い訳すればいいや~ってね。そんなもん、私に通じてたまるか!

で、ここまでだったら普通にインド人とケンカしたというよくある話。
私だって自分が引くとあとでとっても後悔するので、ぜーったい引かないもん。

この後、フロントでひげに鉢合わせをしたとき、お互いに「きっ」とにらみ合いにでもなるかと思った。

宿泊ホテル
【宿泊したホテル】
ところが、ひげの態度は想像とは全く逆で「まだ怒ってるのかなぁ?」とこちらを伺いながら、 下手に出て謝罪を始めるのです。 (取れなかったのはトップシーズンのせいだと付け加えるのは忘れなかったが。)

これには、ちょっと驚いた。だって、こういうとき、インド人は逆ギレする場合が多いもん。
誰かに「日本人客がこなくなったらどうする!」と怒られたのだろうか。
なんで~?

謝られたら悪い気がしないのは人間の性でしょうか。
お人好し日本人なのか、言い訳を聞くのがうっと惜しいのか「もう、いいよ」と聞き流し、
ずっと気になっていたことを聞いてみた。

「ところで、あなたの顔立ちはインド人に似てますね。」
「私のおじいちゃんはインド人なんです。母はシャン系(タイ族)。だからこういう顔してる。」

クォーターでこの顔立ち?インド人の血って濃い~。と思うと同時に、彼の振る舞いから 日本人に似ているというミャンマー人気質を少し垣間見た気がした。

以前から旅行記などで、「ミャンマー人は日本人と感覚がよく似ている」という話をよく聞いていた。
似ているのは顔形ではなく、物の考え方とか人とのつきあい方などの感覚の方。
たとえば日本人は何かにつけて近所の目を気にしたりしますが、ミャンマーの社会にもそういったところがあるとかで、 つまり人の目を気にするところが今回のヒゲの態度に表れているなぁと。
だからミャンマー人と国際結婚するカップルは他国の人と結婚する人よりも行き違いが少ないと聞いたことがあるのだ。

このひげは、ミャンマー人とインド人が混ざっていたのか。
インド系のくどい性格にミャンマー人の人の良さとか気の弱さが宿っていると。なるほど。
こんな短期間の旅で面白い人に出会ったなぁ。

ところでバスチケットのことですが、ヒゲが押さえた補助席は、バス会社に無理を言ってキャンセルし、
しっかり別会社の普通席を買い直しました。仕返しにひげの顔はつぶさせて貰いましたよ。

出発当日、違う会社のバスに乗り込む私を見てさぞかし驚いたことでしょう。

注)ここに出てくるインド人とは、旅行者が一般に出会うような種類の職業についているインド人一般について、 私の主観で記載したもので、実際にはそうでない人もたくさんいます。念のため。